工場での熱中症は一年中発生する！
一般的に運動中などに屋外で発生する熱中症は夏季に発生する事が多いです。
しかし、工場(屋内)では季節を問わず一年中熱中症の発生が報告されています。
熱中症は気温や室温、湿度、対象者の体調の条件さえ揃えばいつでも発生する性質があるためです。
労働現場ではその業態により、高温の機器や材料類、排気ダクトの輻射熱など様々な要因で容易に室温が上昇します。またその熱源から放射する熱に直接晒される事も多々あります。
このような要素により工場などの労働環境では一年を通して熱中症が発生しているといえます。
工場での熱中症対策と実態
厚生労働省では企業やその安全管理者に熱中症を防ぐ為の方策や設備の設置等を義務付けています。
そこで企業では水分補給の推奨や発汗の多い現場では塩分タブレットの支給、空調の調整など様々な工夫をしていますが、本来の業務遂行と熱中症予防とのバランスは中々うまく取れていないのが現状です。
暑熱環境の労働現場で働く労働者は熱中症予防と業務のアンバランスの中で常に危険に晒されているとも言えます。
このような現場の労働者は暑熱環境に少しづつ馴化していきますが、熱中症発生とのギリギリの境目で作業を続けている場合も多く、作業人員の関係から給水を頻繁に取れなかったり、トイレとの兼ね合いで水分補給を控えるなど熱中症発生の危険性を抱える人もいます。
また、個人の体調管理の問題で前日に深酒や夜更かしをして体調が悪かったり、元来虚弱体質であったり中高年の労働者など、日々の業務の中でいつ重症の熱中症が発症してもおかしくない状況である例も存在します。
事実、業務中に頭がボーとする、眩暈がする、少しフラつく感じがあるなど、軽度の熱中症とみられる症状は散見されるものの、暑熱環境に馴化していくなかで見過ごされている危険な状態が多く存在しているのが実態です。
重症熱中症発生時の対策
上記のように軽度の熱中症が頻発している背景の中、暑熱環境の工場においてはいつ重症熱中症が発生してもおかしくありません。
重症熱中症は体内に熱がこもり、深部体温が40℃を超えるような状態であり、こもった熱により中枢神経や臓器のたんぱく質が侵される事から、生命の危機や重篤な後遺症を発生させる危険のある状態です。
倒れて意識がなかったり、質問に対する受け答えがおかしい等の見当識障害などで見分ける事ができますが、一刻も早く深部体温を下げないと非常に危険な状態です。
しかし多くの企業では熱中症予防のプロセスから、軽度の熱中症の発生時の応急処置まではマニュアルが組まれているものの、重症の熱中症においては救急車要請しか手立てを考えていないのが現状です。
また重症熱中症において救急車で病院搬送する場合平均１時間近い時間がかかる為に手遅れとなる場合が多く、現場でのアイスバスによる応急処置が必須である事は本ホームページの他の項でも多く紹介している通りです。
最新のスポーツ医学では重症熱中症からの救命にはアイスバスを用いて全身を冷却することが最善の対応である事は周知されてきています。当然労働環境においての熱中症にも同様の事が言えます。
涼しい場所へ移動させたり水分の補給をするなど、軽症の熱中症に対する応急処置では重症熱中症には全く対応できません。エアコンの風で身体を冷却したとしても空気の熱伝導率は水の20分の1でしかない為、一秒でも早く深部体温を下げ救命する為には体を水の中に浸けるアイスバス一択となります。
まとめ：応急処置用アイスバスの採用で労災を防ぐ
近年の研究により重症熱中症は倒れて10分以内に冷水で全身を冷却すれば100％の救命が可能と言われています。
熱中症応急処置用アイスバス【P-PEC】は小さなバッグに必要な機材全てが入ったオールインワン型のコンパクトアイスバスで、バッグから取り出して僅か3秒で設置することが可能です
まるでAEDのような感覚で使えるアイスバスなのです。
【P-PEC】(ピーペック)さえ工場に備えてあれば、万一の重症熱中症の発生時にも100％の救命が可能ということになります。
また、迅速な身体冷却により深部体温の高い時間が減少すれば重度の後遺症も防ぐことができます。
一般的な例として大きな火災を防ぐためには各工場には消火器が設置されていると思います。万一火災が発生したら消防車を要請すると共に消火器で初期消火をする、もしくは消火器だけで消し止めるという考えです。熱中症も同様に重症熱中症が発生したらアイスバスで応急処置をして救命すると考えて頂ければよいかと存じます。
いずれにしても「アイスバス」という機材がなければ現場で最善な応急処置は不可能となりますので、まずは機材を準備しておいて頂く事が必須となります。
暑熱環境の工場において熱中症という労働災害を防ぐ為には、現在の工場の熱中症対策マニュアルの最後に重症熱中症が発生した時の対応策として応急処置専用アイスバスの設置を加える事が最も重要な労災対策と言えるでしょう。
